さがみはらの農風景 ~6月~

相模原の農風景を通じて、相模原の農業情報をお届けします。

6月は農家が種まきなどの作業が増え始める時期です。

相模原市には、神奈川の大水源である相模川沿いに、約61ha(2015年農業センサス)の水田が耕作されており、新戸、望地そして葉山島を中心に稲作地帯が形成され、これらの地域では5月上旬から6月上旬にかけて田植えが始まります。

【高田橋から眺める相模川】

【高田橋から眺める相模川】

初夏を迎えた6月の日差しの中で、青い空と植えはじめの稲の新緑が田んぼの水面に映える景色が広がります。

 

【望地にて1枚】

【望地にて】

中央区望地では、相模川と段丘崖の斜面林の間に水田地帯が広がります。

この地区の水田では、稲を生育するだけでなく、水田で生息する生物の環境を保護するために、用水路沿いの樹木の管理や 清掃を行っています。

こうした取り組みにより、周辺ではゲンジボタル、トンボ、タニシやサカマキガイなど数多くの水中生物も観察することができます。

【青空のコントラストと水田から森への緑のコントラストが美しい葉山島での1枚】

【青空のコントラストと水田から森への緑のコントラストが美しい葉山島】

 

元々、傾斜地で耕作に不向きであった緑区葉山島は、明治30年代半ばに開田事業が開始され、大洪水などの自然災害にみまわれながらも、約30年の歳月を経て完成された水田地帯です。

事業開始から100余年が経過した現在では、約158,000㎡の水田が耕作されています。

 

【入道雲のようにどこまでも広い新戸の水田地帯から1枚】

【入道雲のようにどこまでも広い新戸の水田地帯】

 

西側に相模川が流れ、東側は河岸段丘の斜面緑地に面した南区新戸周辺では緑の多い豊かな自然の中、広大な水田地帯が広がります。

水田の中央部には、この地帯を貫くように「相模川左岸幹線用水路」が流れています。

この地区では、毎年多くの見学者が訪れる「相模の大凧まつり」や「芝ざくらまつり」など文化行事に多くの農家が携わっています。

 

相模川を背景にした美しい水田は、私たちに美味しいお米をもたらしてくれるだけでなく、そこに生きる生物の環境、先人たちの努力により広げられた土地、そして農村の中で生まれた文化を守る農家の姿をも映し出します。