さがみはらの農風景  ~9月【後半】冬野菜の種まき〜

◆「さがみはらの農風景~9月【前半】パンジーの種まき〜」の続きの記事になります。

 

9月はキャベツ、小松菜、大根、ごぼうなど冬野菜の収穫に向けて種をまく時期でもあります。
そこで、9月播きの野菜の種を少し紹介したいと思います。

色は似てても、形や大きさに違いがあります。
①菜花 ②白菜 ③カブ ④春菊 ⑤葉ネギ

 


①菜花 ②白菜 ③カブは2~3日で、④春菊 ⑤葉ネギは5日ほどで芽が出てきます。
緑色の蝶のような双葉が、菜花・白菜・カブでどれもそっくりですが、いずれもアブラナ科の野菜ということで共通しています。
たった2~3ミリの種が大きな野菜になるのは本当に不思議です。

これらの野菜が大きく実ったら、くたくたに柔らかくにた白菜のスープにしたり、だしがたっぷり染み込んだホクホクの大根のおでんにして食べるのが楽しみになりますね!

そしてプロの農家さんが育てた野菜と味や形の違いを比べてみるのも楽しいでしょう。

農家さんが育てた野菜は、例えば、白菜は枕と同じくらい立派で大きく、大根はうっとりと撫でてしまうほど滑らかに肌が白いです。

 

種をパッと播いて、芽が出てきた喜びはひとしおですが、見事な野菜をつくるまでには人の手が必要です。

そこに農家さんの腕が光ります。

 

上で紹介した野菜はプランターでも栽培できます。最近では、手のひらサイズの白菜や大根が収穫できるものがあるので、自分で野菜を育てることに挑戦してみてはいかがでしょうか?
自分でやってみれば野菜の特性だけでなく、農家さんの仕事や技術を感じることができるはずです。

 

おまけ

 


農家さんが種を播く姿を見ると、フランス人画家のジャン=フランソワ・ミレー(Jean-François Millet、1814~1875)が描いた『種をまく人』(【絵1】)を想いおこします。
また、かの『ひまわり』で有名なオランダ人画家フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh、1853~1890)は、このミレーの『種をまく人』に倣った絵を描きました(【絵2】)。
ミレーやゴッホが作品の中に込めた意味には様々な解釈がされていますが、農家の姿が国や時代を問わず馴染みのある風景であることがわかります。

ふだん、相模原の農地を巡ると野菜や果樹が植わっている様子ばかりに目がいき、種を播く瞬間にまでなかなか意識が及びませんが、相模原の農家さんが種を播くときの気持ちを想像しながら世界の名画の意味をも解釈できると思うと、その瞬間に相模原の景色は同時に身近で絵画的な美しさを現わすように見えてきます。